この記事では、小中高生向けのNHKラジオ英語講座の過去放送を聴く方法を紹介しています。アプリ「らじるらじる」では放送直後から1週間以内に再生可能、サイト「おうちで英語学習2022」では翌週から60日間再生可能です。
各講座の主な内容や私のおすすめの聴き方(講座の選び方)も紹介しています。
- おことわり
- 2022年度の小中高生向けラジオ英語講座
- 【2022年度】小中高生向けのNHKラジオ講座を放送後に聴く方法
- 各講座の主な内容
- これから「基礎英語」シリーズか「ラジオ英会話」を聴き始める皆さんへのアドバイス(リスナー歴1年の私による)
- おわりに
- このブログについて
おことわり
・この記事の情報は2022年5月時点のものです。
・この記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。詳しくはプライバシーポリシー内のアフィリエイトについてをお読み下さい。
・この記事は主に「英語をやり直したい社会人」に向けて書いています。
(詳しくは後述しますが、『中学レベルから英語をやり直したい方』および『高校あるいはそれ以上のレベルで英語の勉強をしたい方』の両方が対象です)
幼児~中学生や、入試のために英語を勉強する受験生(および保護者)は対象にしておりませんので、ご了承下さい。
例外的に、「小中学校レベルから英語をやり直したい高校生(あるいは高校生以上の学生)」は対象にしています。
2022年度の小中高生向けラジオ英語講座
2022年度の小中高生向けのNHKラジオ英語講座のラインナップはこちらです。
- 「小学生の基礎英語」(小学校5,6年生向け)
- 「中学生の基礎英語 レベル1」(中学校1年生〜2年生向け)
- 「中学生の基礎英語 レベル2」(中学校2年生〜3年生向け)
- 「中高生の基礎英語 in English」(中学校卒業レベル)
- 「ラジオ英会話」(高校生向け)
【2022年度】小中高生向けのNHKラジオ講座を放送後に聴く方法
ラジオを録音できなくても、3つの方法で放送が終わってしまった回を聴くことができます。ただしどれも期限があるのでご注意下さい。
(1)アプリ「らじる★らじる」の聴き逃し再生を使う
NHKのラジオ放送が聴けるアプリ「らじる★らじる」では、放送終了直後から1週間以内で語学番組を再生できます。
青い「聴き逃し再生」タブをタップすると使えます。
(2)アプリ「NHKゴガク」で再生する
白い子犬のイラストが目印のアプリ「NHKゴガク」で、前の週の放送を聴くことができます。英語講座はすべて対応していますが、アラビア語とポルトガル語講座には対応していません。
(3)サイト「おうちで英語学習2022」で再生する
NHKの公式サイト「おうちで英語学習2022」は
「小学生の基礎英語」(小学校5,6年生向け)
「中学生の基礎英語 レベル1」(中学校1年生〜2年生向け)
「中学生の基礎英語 レベル2」(中学校2年生〜3年生向け)
「中高生の基礎英語 in English」(中学校卒業レベル)
「ラジオ英会話」(高校生向け)
の5講座を、放送の翌週から60日間(約2ヶ月間)聴くことができます。
各講座の主な内容
小学生の基礎英語
テキストに漫画として描かれているスキット(マンガスキット)を聴いて講師の質問に答える、というのが主な内容です。生徒役兼司会がサンシャイン池崎さんなので、池崎さんが回答しています。
2022年度のマンガスキットは続き物。過去から現代日本にタイムスリップした子ども騎士の「ヘンリー」と浅草出身の小学生「エマ」の会話で成り立っています(ストーリーは後述)。
小学生向けなので文法の講義はなく、「チャンク」と呼ばれる英語のフレーズを覚えるのがメイン。
後半のお便りコーナーではマンガスキットのオチを募集している。リスナーから投稿されたオチが何件か読まれて池崎さんが「池崎賞」(スキットには採用されなかったが池崎さんが気に入ったオチ)を選ぶ。
金曜日の放送では小学生が電話で講師に質問するコーナー、発音練習のコーナーもある。
小学生向けにしてはスキットの英語が難しすぎるように思えますが(今時の小学生にとってはそうでもないのかな?)、日本語訳の発表もあるので英語が全く分からない人も理解できます。小学生にとっては楽しい番組だと思うし、お便りコーナーでも下ネタや容姿いじり、暴力的なものなどは読まれないので保護者も安心して聴かせられると思います。
2022年度「小学生の基礎英語」のストーリーについて
ところで2022年度のストーリーですが、個人的には今年度の基礎英語シリーズの中で最高傑作です(※2022年5月第2週目の時点では)。
前述の通り、子ども騎士のヘンリーが過去から現代日本にやってくるお話なのですが、ヘンリーは元の時代では「ヘンテコ王国」の騎士で、戦闘に参加させられていました。ヘンリーは戦闘が嫌いなので「平和な時代に行く」と姫に宣言して現代日本にタイムスリップしたんです。
ご都合主義と言えばそれまでですが(そもそも語学番組のストーリーにはあまりクオリティを求めてはいけないように思える)、子どもが戦争に参加させられるような国や時代を逃げ出して平和を求めて現代日本にやってきた子どもの話だと思うと感動してしまいました(番組側がこのストーリーを決定したのがウクライナ侵攻の前なのか後なのかは分かりません)。
ヘンリーが暑がっているときにエマが「ヘルメットを外せば?」と提案してヘンリーがそうするシーンがあったのですが、「暑くても外でマスクを外せない今の子ども達(大人もですが)」と「元の時代・国では鎧を脱ぎたくても脱げなかった(だろう)ヘンリー」を重ね合わせて感動してしまいました。
でもスキット自体はコメディタッチです。あと、「エマ」は浅草出身であり"Emma"ではなく"Ema"表記なのでおそらく日本人です。
「中学生の基礎英語」シリーズ
中学校で習う文法を中心に教わります。今の中学校の教科書に載っているような基本的な単語も学びますが、TOEIC700点台前半の私も知らなかった単語も毎月いくつか出てきます(私が単語を知らないだけかもしれませんが)。
「中学生の基礎英語 レベル1」
構成は
- 今日のスキットを聴く(1回目。おおまかな内容を掴む)
- 同じスキットをもう一度聴く(講師の質問の答えを探す)
- スキットの日本語訳、単語を学ぶ
- 今日のスキットに出てきた新出の表現、舞台となるアメリカ(ミネソタ州)の文化などについて学習パートナーが日本語で解説する
- 文法の解説
- リピーティング(学習パートナーの言う英文を後に続いて繰り返す。何も見ないでやるのは意外と難しい)
- 今日習った文法を使って瞬間英作文をする
- スキットの音読練習
太字のコーナーはレベル1のみにあり、レベル2にはありません。学習パートナーによる解説は、スキットを聴くだけでは分かりづらいアメリカの学校について(授業ごとに教室が変わる。生徒一人一人にロッカーがあるなど)解説してくれるので助かります。レベル1は昨年度と同じ先生がご担当なので難易度に変化はないように思えました。
2022年度のストーリーは河童と人間のハーフの女の子がアメリカのミネソタ州の学校に通う物語です。Twitterでも話題になり複数のネットニュースに取り上げられました。
カッパと人間を親に持つ女の子がラジオ『基礎英語』の主人公に。NHKに理由と反響を聞いた | 女性自身 (jisin.jp)
「あなたもカッパですか?」「いいえ、私は人間です」 カムカム効果で絶好調の「中学生の基礎英語」がおかしなことになっている|まいどなニュース (maidonanews.jp)
「中学生の基礎英語 レベル2」
構成は
- スキットを2回聴く(1回目と2回目で講師からの質問が異なる。レベル2では質問に2つ答えなければならない)
- 新しい単語を学ぶ(スキット1回目→単語の学習→スキット2回目、の順番)
- スキットの音読練習
- リテリング(retelling:スキットの内容を要約する。2つの質問の答えを繋ぎ合わせるとリテリングが完成するようになっている)
- 文法の解説
- 「英語表現の筋トレ」(※後述)
- 今日習った文法を使って瞬間英作文をする
です。
太字はレベル2のみにあるコーナーです。注意点ですが、2022年度は放送では日本語訳を取り上げません。スキットの要約なら放送だけで分かりますが、日本語訳はテキストを買わないと分からなくなりました。
さて、上に書いた「英語表現の筋トレ」ですが、Lesson1ではこんな感じでした。
Lesson1ではhave toを習いましたが、”I have to~”に続いて
- do my homework
- cook dinner
- go shopping
の3つのフレーズを先生の指示に従って言う、という内容でした。放送を聴けば「そういうことか」って分かります。
レベル2は昨年度に比べて難しくなった印象です。昨年度までは質問はひとつ、放送日本語訳が紹介されていました。それが今年度は……という感じです(先生が変わると講座の難易度も変わってくるのでしょうか?)。でもテキストには日本語訳も載っているし、中学生もテキストも買って聴けばついていけるかもしれませんね。
2022年度のストーリーですが、14歳の男の子が岩手からオーストラリアのシドニーに留学するお話です。ホームステイ先の家族は日本語が少し話せる父親、中国生まれでオーストラリアに移住してきた母親、17歳の一人娘。その他、学校の同級生を含めていろんな若者が登場します。
ストーリー自体は面白そうですが、4月からシドニーの登場人物が多くて混乱しそうでした(笑)。ホストファザー・マザーはいいんですが、若者の登場人物が多すぎて誰が主人公と同級生になるのか掴めなくて混乱しました。いや私も真面目に毎回聴いているわけではないから、そのせいかもしれませんが。・・・というわけで電子書籍の無料試し読み版をダウンロードして、登場人物一覧を見ながら聴くことをおすすめします。多分、サーファーの女の子がヒロインのボーイ・ミーツ・ガール物なんだろうな・・・。
中高生の基礎英語 in English
最初と最後の挨拶を除いて講義は全部英語です。この講座には生徒役がいて現役高校生女優の仲吉玲亜さんなのですが、仲吉さんも英語で受け答えします(英検準2級取得だけあって結構上手い)。月曜日から金曜日まで同じスキット(1話完結)を使い英語で英語を学んでいきます。
新作の放送は第1週と第2週のみ。第3週、第4週は前年2021年度の再放送で、鈴木福くんが生徒役です。
2022年度、2021年度で構成は若干異なりますがほとんど一緒です。
- 月曜日:今週のテーマの紹介。今週のダイアログを初めて聴く。
- 火曜日・水曜日:ダイアログの登場人物の意見を深く知る。
- 木曜日:学習パートナーの意見を知る
- 金曜日:生徒役が自分の意見を言う(放送を聴いた後でリスナー自身の回答を英語でまとめる)
ラジオ英会話
独自の概念(ネイティブの感覚を理解する)で英文法を教える大西泰斗氏による講義です。分かりやすいのでおすすめ。講師はEテレを含めてNHK英語講座の担当歴が長いためファンも多いです。
2022年度は"make", "have", "take", "get"など「日常会話で頻出する基本単語を思い通りアウトプットする力を磨きます。単語を自由自在に操るために必要なのは、日本語訳を超えたネイティブスピーカーの語感に触れること。講師の大西泰斗先生には、ネイティブが抱いている単語のイメージやニュアンスを解説いただきます(出典:『ラジオ英会話』2022年4月号『「ラジオ英会話」をご利用の皆様へ』)
・・・「何のことやら?」という方はとりあえず「おうちで英語学習2022」でLesson1を聴いてみるか、今月号のテキストを読んでみて下さい。
主な構成は「スキットを1回聴く」「日本語訳を聴く」「単語の解説」「今回習った単語を使って瞬間英作文トレーニングをする」です。
スキットは1話完結ですが微妙に続き物になっています(前後のあらすじが分からなくても理解できる内容です)。
先生とネイティブスピーカー2名の計3名で進行するのですが、最初と最後の挨拶で繰り広げられるフリートークも面白いです(ラジオでしか聴けません)。
これから「基礎英語」シリーズか「ラジオ英会話」を聴き始める皆さんへのアドバイス(リスナー歴1年の私による)
「あえて下のレベル(学年)の講座を聴く」のがおすすめ
現役中学生が聴く場合、こういうことです。
- 中1:「小学生の基礎英語」を聴く
- 中2:「中学生の基礎英語レベル1」を聴く
- 中3:「中学生の基礎英語レベル2」を聴く(レベル1にしてもOK)
高校生は人によって学力差が激しいので一概には言えませんが、一般的には
- 高1~2:「中高生の基礎英語 in English」あるいは「中学生の基礎英語レベル2」を聴く
こんな風に「あえて自分より下のレベル(学年)の講座を聴く」のがおすすめです。
(大人も人によって英語力が異なるので一概には言えませんが、上の表やNHK出版のサイトの英語力テストで自分と同等レベルの講座を調べて、それよりもひとつ下の講座を聴いてみて下さい)
理由は「自分と同等のレベル、上のレベルの講座を聴くとついていくのが大変だから。結局ついていけなくなって聴かなくなるから」です。
2021年4月から聴いてみて思ったのですが、レベル1は中1には難しいしレベル2も中2には難しいと思います。
「小学生の基礎英語」も小学生には難しいと思います。中学校で本格的に英語の勉強が始まった中1が聴いてみて初めて、ボキャブラリーを増やすのに役に立つ番組なんじゃないかと思いました。
もちろん中高生には高校入試や大学入試対策もあるので、自分と同じ学年の講座を聴くなとは言いません。
しかし(リスナーが中高生にせよ大人にせよ)日本人には「英語は読めるけど聴けない、書けない、話せない」という人が多いので(私もそうです)「あえて下のレベルを聴く(そしてシャドーイングやディクテーションをする)」という勉強法は有効かと思います。何より無理なく聴き続けられます。
「読めるけど聴き取れない」ことは意外と多いものです。それに、TOEIC700点台の私でも「小学生/中学生の基礎英語」シリーズで知らなかった単語を覚えています(私が単語を知らなさすぎるだけかもしれませんが)。小中学生向けの講座はあなどれません。
紙のテキストは定期購読で買う(書店で品薄、売り切れになってるケースが多いため)
Twitterでは、基礎英語シリーズのテキストが書店で売り切れていたとか売り切れそうだったというツイートを見かけたことがあります。
また、残念ながら最新号のテキストがAmazonで定価より高い価格で転売されているのも見かけたことがあります。
そういうわけで紙のテキストを確実に手に入れたい場合は定期購読がおすすめです。
NHKテキストの定期購読を申し込めるサイト
- NHK出版の公式サイト(定期購読申込みページ)
- Fujisan.co.jp(NHK英語テキスト専用ページ)
で申し込めます。
おわりに
駆け足でしたが、「基礎英語」シリーズと「ラジオ英会話」を紹介してみました。
それでは、充実した英語学習ライフを!
このブログについて
最後にお知らせです。
このブログでは社会人の英語学習に役立つ記事も投稿しています。
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